【働き方改革とは?】災害時における日本企業の違和感
つい先日の週明け月曜日、日本の関東圏に強力な台風が直撃しました。
ちょうどその数日前まで日本に帰国しており、ニュースで台風が来そうだと情報を確認していたため、飛行機が無事動くか心配をしていましたが、結果的に私のフライトには全く影響はなく家に帰ることができました。
自宅に着いて日本で台風が去った事を確認すると同時に、改めて大変驚いたことがありました。
それは鉄道をはじめとする交通機関が停止しているのに、
出勤しようとしていると思われるサラリーマンの方々の映像でした。
鉄道の駅で人、人、人の群れ。駅の中で待つという話の以前に、
駅に入るまでに並ぶような光景まで見受けられました。
何だこれは!と大変驚きました。
もちろん中にはインフラがマヒしていても、仕事柄どうしても出勤しないといけないという方がいらっしゃると思います。
それこそ尚更、出勤する必要がない人は電車・車に乗らずに、出勤しないといけない人が滞りなく会社に行けるようになった方がよっぽどいいでしょう。
働き方改革という耳なじみの良い標語が世の中に広まるようになり、
はや数年ほどは経つと思いますが、日本の実態は今回のような災害時に色濃く表れているような気がします。
そこで今回はこのような災害時の状況を元に、日本の働き方について書いていきます。
特に企業の目線に立って考えました。
というのも働き方の問題に関しては、ほぼ個人の努力でどうにかなる問題ではないと思います。
企業の社員に対する考え方、働き方に対する倫理観により左右される可能性が非常に高いからです。
なぜ働き方改革は実行されないのか
上述したように働き方改革という言葉自体はここ数年で、
散々耳にするようになった気がします。つまり働き方を変えなくてはいけないという、社会全体としての流れはあるものの、スローガンだけできて改革は実行されずに、
実態は問題の先延ばしがされているような気がします。
そこでまずはなぜ働き方改革はされないのかを考えます。
理由①働き方を変えるべき必要性を感じていないから
世の中の流れ的に働き方を今よりも良くしようという認識はどの会社にもあるはずです。
ところが、本当に働き方を変えないといけない理由を会社の経営者たちは認識できているのでしょうか?
今回のような災害時に、出社困難な場合にも何も社員に指示を出さない会社に関しては明らかに答えはNoでしょう。
そんな会社ではそもそも働き方を変えようとする動きすらないのかもしれません。
そうだとしたら、その会社はブラック企業の可能性が高く、退職を検討した方がよいかもしれません。
理由②会社に対するデメリットばかり考えているから
災害時に企業から社員に対して、出勤しないように指示を出さない理由として、
こんな声が聞こえてくるかもしれません。
「出社しない分、どのようにカバーするのか?」、「営業日が1日潰れる。会社に対する影響は大きい」
確かにそうかもしれません。しかし、個人的にこのような側面だけで考えてしまうのは非常に単眼的な視点で、結果的に会社にとってもプラスにならないと思います。
というのも社員に対するデメリットが大きく、結果的に生産性を低下させている可能性が高いからです。
会社に行くために非常に暑い中外で待つ、それから電車を使うとしたら激混みの車内で押されながら乗る。
こんな状態で仮に会社にたどり着いたとしても本当に仕事に集中できるでしょうか?モチベーションは上がるでしょうか?
私なら確実に上がりません!そして会社への不信感も感じてしまいます。
それから会社の業績への影響ですが、ほとんどの会社では深刻な打撃にはならないと思います。
仮に年間休日を125日とした場合、営業日は240日です。
1日全く働かないで休んだとしても、年間の日数から考えると1営業日はわずか0.4%にしかなりません。
つまり1日程度ではほぼ影響がないことがわかります。
1年の間に発生する自然災害を全て考慮したとしても、そこまで大ごとにはならないでしょう。
それよりも深刻なのは、出勤すべきでないタイミングで何も指示を出さない会社ではないでしょうか。
理由③社員は働いて当然というカルチャー
会社員は会社に所属して給与をもらっていますから、働くのは当然だと思います。
ただ、ここで私が言いたいのはそれ以上に社員は働いて当たり前だろ!という、
会社の圧力みたいなものを感じざるを得ません。
そういった姿勢が今回のような災害時に表れているような気がします。
ではなぜこのような風潮があるのか?
一つのヒントとして今の経営者たちが生きていた時代が影響しているように思います。
帝国データバンクの調査によると、2019年初頭時点で日本の会社の社長の平均年齢は、59.7歳という結果が出ていました。
ここから読み解けるのはまだ日本が国として成長していた時代を経験していること。
それからもっと成長していた時代、つまり高度経済成長期を経験した世代が上司であったということです。
高度経済成長期は日本の奇跡と呼ばれるくらい、特殊な時代だったと思われます。
国全体が成長している時であれば、働けば働くほど会社の業績も上がるという状態であったのではないでしょうか。
今の日本は国として大きく成長しているわけでもなく、今後も大きく成長する気配があるわけでもありません。つまり今の社長たちが生きた時代とは明らかに変化しています。
ところが、その変化に気づいていないのか、あるいは気づいていないふりをしているのか、現実とのギャップが結局のところ働き方が見直されない原因の一つではないでしょうか。
社員は働いて当たり前、かつ労働量だけが会社の業績を上げる解決策だと考えている企業が現存していると考えます。
サラリーマンとしてどう考えるべきか?
ここまで会社目線で書いてきましたが、最後にサラリーマン目線で考えていきます。
もし、自分の会社が出勤する必要がないのに災害時に何も指示を出さない会社で、
出勤しないといけない会社だった場合、その会社は即刻辞めるべきでしょう。
50代後半~60代の方なら辞めなくてもいいかと思いますが、
20代~40代の方なら辞めた方が後先いいかもしれません。
なぜなら経営者たちが時代の変化を嗅ぎ取れていない会社の可能性が、
とても高いからです。
ここ数十年でも社会の変化から、登場してきた会社、消えていった会社があると思います。
社会の変化が読み取れていない会社は、この後生き残る可能性よりも、
消える可能性の方が高いのではないしょうか。
これから20~40年間ほど社会で働く方なら、尚更考えるべきポイントです。
あなたの会社はどちらでしょうか?
本日はここまでです。
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